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道内住宅関連企業モンゴル参入への道/現地視察ルポ①

5 時間前
読了時間: 3分

 冬の大地を覆う煤煙と、怒涛の住宅ラッシュ―。北海道と同じ寒冷地でありながら、未成熟なインフラに悩むモンゴルの首都ウランバートルが、巨大な再開発の波に揺れている。北海道住宅産業新聞社は9月9日~12日、北海道建設新聞社との共催で「モンゴル住宅視察ツアー」(団長・加藤修札幌市副市長)を実施。道内の住宅関連事業者ら18人の一行で現地を見学し、ビジネス参入の可能性を探った。


建設中のマンション群の合間に連なるウランバートルの渋滞
建設中のマンション群の合間に連なるウランバートルの渋滞

伝統住居「ゲル」から省エネ住宅へ


 入国から一夜明け、ウランバートル郊外のホテルから市内へ。中心部に近づくにつれ、チャーターバスが前に進まなくなる。同行した在札幌モンゴル国名誉領事館のガンバット・ウスフバヤル事務局長に「これでも渋滞緩和のためナンバー下1桁偶数の車だけ走行している。奇数と1日ごとに交代」説明された。規制がなければ、と考えるとぞっとする。


 高層ビルが立ち並ぶウランバートルは、深刻な都市問題を抱える。人口170万超の半分近くが、市街地を取り囲むように「ゲル地区」を形成。インフラが整備されない中、丸いテント型住宅「ゲル」や、許可なしに建てられる平屋などの住宅で生活する。石炭を燃やした煤煙が冬はマイナス30度に冷え込む街の空気を汚し、穴を掘っただけのトイレは悪臭、土壌汚染の元になる。


 これらの都市問題を解決するため、国は2024年にインフラ整備などに関する16のメガプロジェクトを掲げた。そのうちの一つが「20分シティー」建設。2026年に新法が制定され市債を発行できるようになった市が、5億ドルを確保し対象地区の土地取得と再開発を進めているという。


 03年から国民1人当たり0.07ヘクタールの土地所有が認められ、ゲル地区が拡大。そこを一掃し、生活インフラを完備したスマートシティーに造り替える。元住人には土地所有権と引き換えに新築マンションを提供。敷地内を車を使わず20分以内で移動できるから「20分シティー」でというわけだ。


 計画の第1号、セルベ・シティーの建設現場を訪れた。プレゼン用の凝った画像を見ながら、事業運用会社の説明を受ける。「ゲルの煙突を1万2000本減らし、市の煤煙を21%減らした」という同地区は158ヘクタール。8575世帯4万5000人の住民を見込む。


 住宅事業は7パッケージに分けられ、国内5社、中国国営2社が落札。住民は若年層、国家公務員、元ゲル地区住民などを想定し、集合住宅が中心。ツアー参加者から「老人向け施設がないといずれ廃れるのでは」という、日本の状況を踏まえた疑問も呈されたが、現場には時流に乗った勢いが感じられた。

建設が進むセルベ・シティー
建設が進むセルベ・シティー

カラコルムへの首都機能移転


 メガプロジェクトでさらに大きな目玉となるのが、カラコルムへの首都機能移転だ。2030年をめどにウランバートルの西300キロにある古都に、ゲル地区の住人らを移住させる。モンゴルで住宅調査を進める北大・森太郎教は「カラコルムは南幌や長沼のような町」と話しており、都市開発費用は10兆円規模。同国建設関係者からは「何十年先になるか」という声も聞かれたが、膨大な住宅需要が生まれ得る。


 寒冷地での住宅ニーズの高まりを考えると、道内の住宅事業者にも参入チャンスがありそうに見える。「あの住宅の構造は?」「走っているのはトヨタ車ばかりだが…」。参加者の質問に熱が込もった。



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