道内住宅関連企業モンゴル参入への道/現地視察ルポ③
冬の大地を覆う煤煙と、怒涛の住宅ラッシュ―。北海道と同じ寒冷地でありながら、未成熟なインフラに悩むモンゴルの首都ウランバートルが、巨大な再開発の波に揺れている。北海道住宅産業新聞社は9月9日~12日、北海道建設新聞社との共催で「モンゴル住宅視察ツアー」(団長・加藤修札幌市副市長)を実施。道内の住宅関連事業者ら18人の一行で現地を視察し、ビジネス参入の可能性を探った。

現地生産工場建設という選択肢
道内住宅業界にとって、ヒントになるのがアーキビジョン21(千歳)の取り組みだ。移動式木造ユニット住宅「スマートモデューロ(SM)」3棟を日本から移送し無償貸与。3都市で厳冬期の断熱・換気性能について実証実験している。そのうちの一つで、ウランバートル市内のナショナル・ガーデン・パークに設置されたものを見学した。
SMは幅2.4メートル、長さ12メートル、高さ2.89メートルのユニットを2つつなげ、56平方メートルの事務所として運用されていた。高断熱、高気密で、ニッコー(石川)の排水処理システム・浄化槽を連結し、インフラが整備されていなくても汚水を浄化、循環できる。「上水はどうするのか」「運んできてタンクに貯める」。柔らかな木の匂いに包まれた室内で、現地担当者との質疑応答が続く。他の2都市に設置したSMの浄化槽は、凍結防止のため地中に埋められているということだった。
アーキビジョン21の丹野正則社長は、現地に生産工場を建設する計画を持つ。「機械設備も提供し、働くのはモンゴル人。日本で100~200人規模で2カ月研修してもらい、一人前になったら現地で造ればいい」。熟練した大工技術を必要とせず、量産できるのが強み。日本から運ぶよりコスト、納期両面でメリットがある。
モンゴルの戸建ては木造でなくRC造が基本。現地関係者によると「木は燃えやすいイメージ。シベリアから持ってこられるが採算も合わない」という。RC造は1㎡10万円程度だが、木造なら2倍。それでも日本の2分の1以下だ。シビアな条件だがSM実証実験を担当する北大・森教授は「日蒙両政府の援助を受け、現地工場でつくるなら(SMの事業は)成り立つのではないか」と期待を寄せる。
道内住宅業界は、モンゴルでの事業に挑戦してきた過去がある。高組(旭川)は2015年、ウランバートル郊外にタウンハウス2棟10戸を建てた。が、着工後の景気低迷、現地下請け業者とのやりとりの難しさなどに直面し、結局撤退。旭栄工務(現旭栄大城建設)も15年ほど前に事業展開を試みたが、定着に至らなかった。だがその経験が次の企業に受け継がれ、新たな挑戦が生まれたとも考えられる。





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