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想いを叶える親愛信託 69
第69回「円満相続のための親愛信託」 家族会議ができるとは限らない 財産が多くても少なくても、もめる親族はもめますし、もめない親族はもめない。その違いは根本的には、両親などの被相続人や財産に対する考え方によります。それぞれの考え方を変えることはできませんが、財産を持っている人ができることはあります。それは、きちんと行く先を決めておいてあげることです。財産の行方を決めるときに家族会議をすることが最善という意見もありますが、必ずしもそうではありません。連絡が取れない、円満な話し合いができないというケースもあります。家族が遠方にいるというように物理的な要因で家族会議ができないこともありますし、そもそも意見が食い違って話にならないという場合もあります。 理想は、みんなの意見を聞いて、話し合い、結果も共有するという方法で相続を迎えることです。しかし、家族会議ができないから相続対策をしないのは本末転倒です。所有者は自分の財産を自由にすることができます。将来、もめないように所有者がその財産の将来を決めておくとよいでしょう。財産の管理が上手な人を受託者にし、
2025年4月23日


想いを叶える親愛信託 68
第68回「信託の代表的な活用方法」 メリットは名義と財産権の分離 信託を紹介したいが、自分の周りには必要としている人がいないのでチャンスがなくて…という方がいらっしゃいます。しかし、おおげさにいうと信託の必要がない人はいません。人は必ず何らかの財産は持っているので、信託を活用する方が良いですが、他の方法でも解決できる人もいます。信託の活用方法がわかり、最大限の活用ができれば、提案できる人は身近にたくさんいるはずです。 信託の最大の特徴は、名義と財産権に分けられるということです。さらに相続税は受益権にも所有権と同じようにかかりますが、相続の手続きがいりません。財産の価値が高く、財産承継や事業承継を行うことに躊躇している場合や、相続人の中に相続の手続きができない人、相続に関わってほしくない人がいる場合などです。 認知症対策だけでなく信託が活用できる事例をいくつかご紹介します。不動産を所有していて法人化し、不動産が法人所有になっている場合は、不動産の財産承継ではなく、法人の事業承継の対策になります。不動産保有会社の場合、一定の条件を満たしている場
2025年4月22日


想いを叶える親愛信託 67
第67回「信託活用での法人の使い方」 法人を活用した信託はメリット大 信託のスキームで、法人を活用することがあります。法人には株式会社や合同会社、一般社団法人などいろいろな法人格があります。信託の活用でよく使われるのは一般社団法人です。 なぜ、一般社団法人を活用するかというと、一般社団法人は誰のものでもない法人なので、株式会社や合同会社のように「株や持分を誰が引き継ぐのか?」という問題がないからです。将来の相続対策で信託を活用するのに株式会社を使ってしまうと、その法人の株を誰が引き継ぐのかという問題がさらに発生してしまいます。そこで、一般社団法人を使うことが多くなります。 株式会社がいいという要望もありますが、受益者にしてしまうと株価が上がり問題解決になっていないので、お勧めしませんし、実際に受益者を株式会社にするスキームを私は使ったことがありません。ただ、受託者に株式会社を使うというスキームを使うのが良いということであれば、受託者は財産を持たないので1円で株式会社を作り、利益が出なければ株価は0円になるので、株価の問題はなく、その株を誰が
2025年4月18日


想いを叶える親愛信託 66
第66回「空き家にしないための話し合い」 不動産を将来どうするか事前に決めて伝える 総務省が発表した2023年10 月時点の「住宅・土地統計調査」の集計によると、全国の空き家は900万戸となり、30年前の約2倍になっています。今後も空き家は増え続けていく傾向にあり、相続登記の義務化や「改正空家特措法」で「管理不全空き家」に指定されると固定資産税がこれまでの6倍になってしまう可能性があるので、空き家を放置することを避ける人が増えるでしょう。 様々な対策が考えられますが、大切なのは事前の対策です。空き家になるということは、住んでいる人がいなくなるということなので、いなくならないように計画をしておくことが必要になります。本来であれば、購入した不動産を「将来どうするのか?」ということを購入した時に考えておくべきなのですが、なかなかそこまで考える人はいませんし、途中で状況も変わります。 購入目的が「自分の住む家」「投資物件」「将来の住む家」など、目的が違えば将来どうするかというのも変わってきます。自分がその不動産をどうしたいのかをきちんと決めて、それ
2025年4月16日


想いを叶える親愛信託 65
第65回「留分相当分の受益権の渡し方」 遺留分侵害額請求に備え受益権を渡しておく 遺留分侵害額請求権とは民法で決められているもので、これが信託法の受益権に及ぶのかどうかというのは、まだはっきり分からないところではあります。今後、いろんな判決が下され、判例が出て、どのような対応になるのか決まっていくと思いますが、それを待っているといつになるか分かりません。 相続人でありながら自分の財産を遺したくないというには理由があるはずです。何か目的があり、その目的達成のために信託行為をして、その結果、相続人に財産が残らないことになったというのは、本来であれば元々の財産の持ち主である被相続人が自分の財産を自由にすることであり問題ないはずなのですが、現状ではまだ裁判所がどう判断するか分かりません。 何年も音信不通の相続人の場合、信託財産にしておいて、もしも請求されたら金銭で支払いができるように準備しておくというのが一番良い方法ではないかと思います。遺言と違い、相続ではないので、信託法には通知義務はありません。身近にいれば亡くなったことを知らないなどということ
2025年4月15日




想いを叶える親愛信託 64
第64回「跡継ぎは誰にする?」 得意・優れている人が能力を活用できるように 財産がある人もそれほどない人も、誰にその財産を継がせるのか?という問題があると思います。自分の亡くなる日が分かっていれば計画も立てやすいのですが、こればかりは誰にも分かりません。自分で会社を経営している場合や資産管理法人を持っている場合は、会社を誰に継がせるか?いわゆる事業承継であり、株を誰に継がせるかということになります。それから所有不動産がある場合には自宅や収益物件などプラスの財産だけでなく、借入などマイナスの財産があることもあります。プラスの財産は親愛信託で、マイナスの財産は遺言で備えることになります。 同じ両親から生まれて、同じように育てられても得て不得手がそれぞれ違う。長男だから経営能力があるわけでもなく、社会的情報量が多いわけでもない。それなのに生まれた順番が早いからと言って財産を引き継がせるのは、逆に財産をもらった人も周りもが不幸になるケースがあります。多様性の時代、男女関係なく、生まれた順序など関係なく、得意な人や優れている人がその能力を最大限に活用で
2025年4月9日


想いを叶える親愛信託 63
第63回「遺産分割協議に使える親愛信託」 将来的には後見人が信託契約できる時代に 遺言書があっても財産の分け方に不満があれば、裁判をして分け方を決めることになります。遺言書がなければ、相続人で話し合って財産の分け方を決めます。けれども、この話し合いがまとまらない時もあります。話し合ってもまとまらなければ裁判で決めることになりますが、裁判をすると時間も費用も掛かります。 相続人が仲良しでお互いを尊重しあえるのであればスムーズに分け方は決まります。しかし、仲が悪いわけではないけれども、ちょっとしたきっかけで仲が悪くなるケースや疎遠になるケースがあり、その原因を作ったのが遺産分割協議ということにならないようにするために親愛信託を活用します。 遺産分割協議ができることが前提ですので、話し合いができないほど仲が悪い場合やすでに相続人の中に判断能力がない人がいる場合には使えません。ただし、将来的には判断能力のない人のために後見人を申請して、その後見人に親愛信託の契約当事者になってもらうという時代が来るのではないかと思います。 例えば、判断能力のない源
2025年4月8日


想いを叶える親愛信託 62
第62回「生前贈与と親愛信託どちらがいいの?」 贈与は財産に関する覚悟を持って行う 信託を検討するときに、信託の組成費用も手間も掛かるので、贈与してしまった方が良いのでは?という意見があります。確かに状況によっては贈与の方が簡単な場合もあります。一概にどちらがいいと言えるものではなく、それぞれの状況で信託か贈与か選択することが大切です。 例えば財産Aを甲が持っていたとします。贈与を選択し乙に財産Aを贈与すれば、甲は今後一切、直接財産Aに関わることはできなくなり、財産Aについては乙が所有者として全ての権限を行使し利益を得ることになります。 当たり前ですが甲の物でなくなってしまうということです。そして、乙が贈与税を支払うことになります。万が一、乙の財産Aに対する行為に不満があったとしても、財産を取り返すためには、乙が承諾しないといけなくなり、乙が承諾してくれて財産Aを甲に戻すと甲がまた贈与税を払うことになります。 通常、乙は一旦贈与税まで払って自分のものになったものを返すというようなことはしないと思うので、贈与を選択する場合には二度と自分はそ
2025年4月7日


想いを叶える親愛信託 61
第61回「空き家対策と親愛信託」 空き家が発生する理由、メカニズムとは 空き家になる理由はさまざまあると思いますが、どのような理由にしても計画的に不動産を所有しなかった結果ではないでしょうか?高齢者の一人暮らしで、所有者の方が施設に入ってしまった…そして判断能力がなくなってしまうと賃貸や売却するためには後見人を付ける必要がありますが、よほど価値のある不動産でなければそこまでしないでしょうし、価値があっても売却できないケースもあります。 亡くなってしまうと相続人が賃貸や売却することができます。しかし、亡くなるまでは高齢な所有者が契約しないといけません。たとえ、使いたい人や買いたい人がいても契約ができないため、そのまま空き家になってしまいます。売却するためには亡くなるのを待つという本望ではないことになってしまいます。 所有者が高齢になると認知症のリスクは高くなってきます。そのため早めに売却して金銭に変え、自分が生きている間に金銭を使いたいという考えもあります。しかし、自宅を売却してしまうと自分が住む所を借りないといけなくなります。そのタイミング
2025年4月4日


「構造設計者の価値向上を」さくら構造 田中真一社長
近年、地震や台風などの自然災害が頻発し、建築の耐震・安全性への関心が高まっている。さくら構造(札幌)は、構造設計のプロフェッショナル集団として、構造設計者の価値向上を目指し、業界全体の発展を牽引する。新社屋「SAKURA VILLAGE」を建設したばかりの田中真一社長に話を聞いた。 —新社屋「SAKURA VILLAGE」の狙いは。 構造設計者同士のコミュニケーションを促進し、業界全体の発展に貢献する拠点にすることが目的だ。安心安全な建築物を提供するために、知見を共有しながら技術を高め合う場になってほしい。オープンな議論が生まれることを期待している。 2階には社員食堂兼カフェを設け、関係者が気軽に集まって情報交換できる空間を整えた。3~4階の吹き抜け部分には階段型のスペースを配置し、自然なコミュニケーションが生まれる設計となっている。 —建築構造の特徴は。 RCラーメン構造を採用し、当社独自の耐震基準「TSUYOKU」適合の第1号物件だ。建築基準法の耐震等級は倒壊を防ぐことが目的だが、「TSUYOKU」は大破を防ぐことに重点を置いている。地
2025年4月1日


コムテックスがクラウドサービス
住宅業界でDX化が加速する中、施工現場の管理や住宅仕様決めのプロセスを効率化するクラウドサービスが注目されている。コムテックス(本社・富山)が開発した建築現場向けのコミュニケーションツール「Kizuku(キズク)」と、施主との打ち合わせを円滑にする仕様決め支援ツール「egaku(エガク)」は、現場の負担を軽減しながら業務の精度を向上させる。導入企業の間で高い評価を得ている。 kizukuのチャット画面 Kizukuは、現場の管理を一元化できるクラウドサービスだ。チャットベースのインターフェースを採用し、テキスト入力だけでなく、業界専用スタンプを活用。現場監督や作業員、施工業者間のコミュニケーションを円滑にし、伝達ミスの軽減やスムーズな情報共有に貢献する。 工程管理の効率化も実現する。あらかじめ商品や工事スケジュールを登録すると、ワンクリックで工程表を作成。ドラッグ&ドロップ操作で修正が可能だ。現場で撮影した写真や報告書は自動でクラウド保存。写真には手書きで注意点を加えることもでき、作業精度が向上する。作業員の入退場をワンタッチで記録し、リアル
2025年3月31日


想いを叶える親愛信託 60
第60回「信託でしかできないこと」 所有権とは異なる受益権での財産承継のメリット 信託の提案をすると、「信託は必要なの?」と言われることがあります。そう言われる方こそ信託でなければ望みや問題解決が叶わない場合が多いのですが、疑問を抱く原因は自分の置かれている現状がきちんと把握できていないことと信託の本当の活用方法が分かっていないということだと思います。 例えば相続人が一人だけで、相続人に財産が引き継がれた後の対策の必要がなく、相続税もかからないので対策をする必要がなく、被相続人になる方の老後の認知症対策も必要がないという場合には信託は必要ないと思います。 逆を言えば、相続の手続きが困難もしくは複雑なことが予想される場合には信託を活用すべきで、信託でないと解決できないケースがほとんどです。信託は認知症対策というイメージが強いですが、相続の対策になるということにもっと注目すべきです。 所有権のまま相続財産になると、相続人全員の印鑑もしくは遺言が必要になったり、遺言があっても戸籍を集めて相続人全員に通知する必要があります。この財産を元気なうちに
2025年3月26日


想いを叶える親愛信託 59
第59回「親愛信託で愛人に財産が残せる!?」 公序良俗違反の契約は無効 親愛信託について「活用すると自分の財産を自由に承継させることができます」「法定相続を気にせずに自分の渡したい人を指定しておくことができます」「財産に関してはとても万能な仕組みです」―という説明をします。 「自由に承継させることができるということだったら愛人に財産を残すことができるのではないか!」という質問を受けます。愛人に財産を渡すような契約をすると、そもそも公序良俗違反の契約は無効になりますから、法定相続人ではない人に財産を渡すというのとは別の問題になりますよね。愛人という言い方をしていても実際は愛人ではない場合もあると思います。大切なのは、実態がどうなのかということになります。 実際は信託していないのに、登録免許税を安くするために信託をしたような形にするというのはもちろん脱法信託になります。本当はそうでないのにあたかもそのように見せるというのは認められません。 愛人と一言で言ってもその内容がどうかということになります。不倫相手に財産を残すということはできませんが、お
2025年3月24日


想いを叶える親愛信託 58
第58回「再婚のための親愛信託」 再婚という身分行為と財産を分けて悩み解決 「過去に大切な人を亡くしてしまった」「大切な人だったけれどすれ違いや価値観の違いで離れてしまった」「子供もいるし、新たな配偶者を迎えることはないと思っていたけれど…人生は何が起こるかわからない。運命の人と出会ってしまった」というようなこともあると思います。 「本人同士は結婚したい…けれども子供たちが反対している」もしくは「子供たちのことを考えると再婚はしない方がいいと思う」というような方が少なからずいると思います。再婚を反対する理由や再婚は避けたいと思う理由はさまざまでしょうが、再婚するという行為自体に反対意見があったり、自分の感情がそうであるのであれば「再婚しない」という選択をするほかにないと思います。 しかし、多くは再婚という行為ではなく、「相続が面倒になる」、本音を言えば「相続財産が配偶者に相続される」ことに対する反対や戸惑いが多いのではないでしょうか?実際に相談を受けるケースも「再婚はしてもいいけれど相続関係が複雑になるのが嫌」という意見が多いです。つまりは
2025年3月24日
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