戸建てリフォームへの挑戦/星野覚一朗・北住都「既存住宅維持促進流通委員会」委員長
北海道住宅都市開発協会は竹内俊朗理事長就任後、7つの小委員会を整えた。各社の独自情報を会員間で共有し、住宅業界の転換期を一丸で乗り切るのが狙いだ。新たに発足した「既存住宅維持促進流通委員会」の委員長を務めるのが、大進ホーム(札幌)社長の星野覚一朗常務理事。住宅ストック価値の最大化が国家的テーマとなる中、取り組みについて聞いた。

―委員会への思いは。
新築を建てづらい時代になり、ストック住宅に目を向けようということ。北住都に中古住宅の委員会が立ち上がること自体、時代の流れを表しているし、象徴的だと思う。経験のない会社が多い中でのチャレンジなので、うまくいかないこともおそらくたくさんあるが、試行錯誤しながら取り組みたい。
―どこに力を入れる。
柱の一つになるのが戸建てのリフォーム。赤外線カメラで熱貫流率を数値化するJ建築システムさん(札幌)の「JJJ断熱診断」と、壁を壊さず断熱するアキレスさん(東京)の「ソトダンプラス」工法を使い、既存住宅の性能を向上させる。不動産業者とも連携して、新たな事業として成り立たせたい。
―活動の進捗は。
7月の第1回は、エーステックさん(札幌)のモデルハウスとリノベマンションを見学し、事例紹介をしていただいた。9月の2回目はコスモ建設さん(同)と信託ホームさん(同)の北広島の工場、展示場を見学。今後も会員各社の取り組みを共有していく。
―自社の取り組みを公開するイメージ。
他社を見にいくということ自体、新たな試みで、大きな意味がある。弊社としては伏古で建設中のリノベーションのモデルハウスを見ていただくつもり。仕入れの原価、販売計画、利益など、すべてオープンにする。自社だけでどうこうではなく、みんなで情報を共有しながら成長していきたい。
―取り組み始めてどうか。
やはり新築と全然違う。1棟目に取り組んでいるが、中古の大型の改修はこれまで数軒しか取り組んだことがなかったので、本当に大変。問題だったのは特に2階で、傾斜していた。断熱性能はまるで駄目で、耐震性能も最悪。気密も悪く、基礎も全然入っていない。直し方がわからないところから始めた。ジャッキアップして複層ガラスを入れて…と。1棟1棟違うので、それぞれに丁寧に対応する必要がある。ゼロから造るよりはるかに難しい。
―それでも取り組む。
新築だと、解体費を入れると建物の値段は3000万円はいく。中古リフォームなら2500万円。JJJ断熱診断とソトダンプラス工法は確認申請が不要で、工期が短縮され、コストを圧縮できる効果もある。ただ、既存住宅を活用すること自体に意義を見出していることが大きい。
―どう連携を広げる。
北住都の委員会の枠だけにはこだわらない。リフォーム系の業界団体や商工会議所とも連携したい。興味がある人は多いが、こういう取り組み自体まだまだ知られていないと思う。
―2043年には4軒に1軒が空き家になるといわれる。空き家もさまざまだが、どういうものを再生していくか。
「解体せざるを得ない家」「中古だが性能向上の必要があまりない家」があって、その間に「改修すれば復活できる家」がある。そのゾーンの家に手を付けていくべき時だと考える。これをやることによって技術レベルは確実に上がるし、北海道の住宅業界にとっていいことだと思う。
委員会が力を入れるべきもう一つの柱が「マンションの買取再販」だが、戸建てリフォームと技術面で共通することも多い。北海道札幌から、全国の先駆けとなる成功事例となるよう、自治体との連携や研究機関の協力も仰ぎながら事業を広げていきたい。
星野覚一朗(ほしの・こういちろう)1977年札幌生まれ。2002年東大経済学部卒。大手証券会社を経て13年に大進ホーム入社。15年から現職。北海道住宅都市開発協会常務理事。
(第1164号 11月1日発行 1面より)



コメント