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【不動産】【札幌】流通・賃貸市場 2023年上半期の総括/後半の展望

成約は「土地」「戸建」回復、「MS」減少続く

MS以外の成約平均価格上昇に一服感


 本紙調査による2023年1月~6月の札幌市の流通市場成約状況は、昨年同期に比べ、「土地」が6・4%、「戸建」分野が14・2%上回り、「マンション」分野は15・6%下回った。成約平均価格は「土地」「戸建」が下落に転じる一方、「マンション」は依然として上昇傾向が続いている。

 宅地価格や建築コストの上昇、度重なった消費税率引き上げ、世界情勢による建築資機材の不足・価格高騰で新築住宅の価格が上昇を続ける中、割安な中古住宅の引き合いも多いが、成約にかつてのような勢いはない。


MS成約2千件割れか


 2008年のリーマン・ショック後、新築分野の落ち込みを補うように成約数を伸ばしてきた札幌市の流通市場だが、17年あたりからちょっとした異変が起こった。まず、流通市場の状況を把握するためにリーマン・ショック後の各分野の成約状況を振り返ってみる。


【土地分野】


 前年対比で09年が15・6%、10年が0・8%、11年が15・9%、12年が16・2%、13年が9・5%、14年が19・0%、15年が2・6%、16年が2・4%と8年連続してプラスとなっていた。17年はリーマン・ショック後初めて前年を下回り、18~20年は前年を上回っ


たものの、21~22年と再び前年割れ。


 成約区画数は14年が1500区画、15年、16年がそれぞれ1600区画を超え、17は前年を下回ったものの1600区画に迫り、18年は過去10年で最も多い1698区画、19年は1733区画、20年は1774区画と高い水準を維持したが、21年は1544区画、22年は1355区画とリーマン・ショック以降14年間では9番目で前年比2割弱の減少だった。


 ただし、昨年を08年と比較すると1・8倍を確保している土地分野の増加率が流通3分野の中で突出している。この分野では、郊外立地の新造タウン系宅地の供給・成約が減少した結果、流通市場の土地が活発化。札幌市の戸建市場は土地と建物をセットで求める傾向が強く、15年から回復傾向が続いた新築戸建市場がさらに土地流通を活発化させた面がある。


【戸建分野】


 成約は年間1千件以上の成約数を維持している。14年は1500件に迫り増進、15年は前年を若干下回り、16年~20年は14年と同水準の1400件台を保ったものの、21年は6年ぶりに1300件台まで減少、22年は1300件を割った。


 消費者の所得水準と新築戸建価格との関係のほか、国のスットク重視の方針による中古支援策の充実、中古住宅に新築時以上の性能や価値をもたせるリノベーションの魅力が認知されてきたことなどが成約数増加の背景にある。


 ただ、札幌市の持家着工がここ数年3400戸台から4000戸台で推移し、年間数百戸に達するであろう建売の成約も加えると、この分野の成約では新築が中古流通を大きく上回っているのが現状だ。


【マンション分野】     


 09年の成約件数が前年比22・8%増の1990件と2千件近くまで伸びた。翌10年はその反動からか1800件台に落ちたものの、11年、12年と1900件台まで持ち直し、12年は1986件と09年とほぼ同じ水準まで回復している。13年は2196件とついに2千件の大台を突破、翌14年は前年を100件近く上回ったが、15年は前年比横ばい、16年、17年は再び100件以上の増加、18年は若干のマイナス、19年は再び盛り返して09年以降最多の2682件を記録したものの、20~22年は一転して19年を300件前後下回る足踏み状態へと変化した。


 一方、中古市場に影響する新築分譲マンションの成約は、09~11年の間は2千戸前後で推移したが、12年はリーマン・ショック後最低となる1876戸まで減少し、消費税引き上げ前の駆け込み需要があった13年でさえ2千戸を切る水準にとどまった。14年はついに1500戸を割り込んで史上最低となる成約戸数を記録し、その後も供給、成約とも低調に推移。21年以降は2000件前後の成約数を記録し復調傾向にあるものの、12年以降の札幌市内のマンション分野の成約数は11年連続、流通市場が新築市場を上回っている。


 流通市場の今年上半期の成約状況をみると、前年同期と比べ「土地」は14・2%、「戸建」は14・2%プラスだが、「マンション」は15・6%マイナス。2008年以降各年の上半期、下半期の成約件数をみると、上半期の差がそのまま年計の差に反映される傾向が強い。それを考慮すると「土地」と「戸建」は1400件超まで回復、マンション分野は11年ぶりに2000件を下回る可能性が出てきた。


(2023年7月16日号1面より)

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