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輸入壁紙専門店、DIY愛好家の“聖地”―「KABEYA」


 道内DIY愛好家の間で、壁紙に関して“聖地”とされる店が札幌市東区にある。内外装工事のアスペックコーポレーション(本社・札幌)が運営する「Wall deco shop KABEYA」だ。


輸入元はドイツ


 入り口をくぐると右手に、大胆な柄の入った色とりどりの輸入壁紙がロール状態で100種類近く並ぶ。塗料や雑貨、カタログなども含めて、一般的なホームセンターなどでは見られないDIY商品が店内を埋め尽くす。主な輸入元はドイツだ。


 立地は地下鉄東豊線・新道東駅から徒歩約10分の、高速道のそば。商業エリアとはいえない場所だが、平日、週末を問わず来店客が絶えない。小林真樹店長によれば、札幌やその周辺からはもちろん、函館や釧路といった遠方からの客も少なくない。


 「最近は輸入壁紙を扱うネットショップがたくさんありますが、実物を見て質感を確かめて買える店となると道内ではうちだけと思います」(小林店長)。新型コロナウイルスで住まいへの関心が高まり、DIYで壁紙の張り替えに挑戦する人が増加。こうした背景もあって、近年テレビなどで店が紹介されることも増えてきたという。



 輸入壁紙は、法人よりも個人への販売に向く商材だ。欧州製品のほとんどは幅が50cm強と日本の建築業界の標準タイプよりはるかに狭く、建築会社の通常業務の中では扱いにくい。KABEYAは定期的に張り替えの体験会やワークショップを開き、一般人のDIYで美しく仕上げるためのノウハウを提供している。


リフォームにも


 アスペックは1976年設立で、KABEYAのオープンは2014年。取引がある本州の輸入壁紙販売業者との話し合いをきっかけに、道内にない新しい専門店として開業した。当初は輸入壁紙自体の認知度が低かったこともあり厳しい状況が続いたが、ここ数年はメディア露出やSNSでの発信が奏功して客数が伸び、収支も安定してきた。


 茶木宏和社長によれば、DIY向けではあるものの施工を依頼され、顧客宅を訪ねる機会が増えた。壁紙事業を通じて、本業であるリフォーム工事の営業にも広げたい考えだ。


 アスペックは昨夏、電気工事業を中核とするクロスティホールディングスのグループに入った。親会社となるクロスティの林秀樹社長は「非常にユニークな事業で成長余地が大きい。未着手だったネット販売にもチャレンジしてさらに存在感を高めたい」と話す。今後に注目だ。



(2022年9月1日発行・第1080号11面より シリーズ「業界見聞録」File.57)


「Wall deco shop KABEYA」公式サイト


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