JR北、北ガス、北電…道内インフラ企業が相次いで賃貸業界に参入

更新日:5月24日

JR北海道が賃貸住宅事業を計画


 JR北海道が賃貸住宅事業にに参入する。新規ブランドは「Junourd(ジュノール)」。

JR駅周辺にミドルクラスの価格帯で展開する方針だ。1棟目は札幌市内の極楽湯さっぽろ手稲駅店跡で2023年に開業予定。桑園社宅跡地や極楽湯さっぽろ弥生店跡でも開発計画が上がる。


 近年、道内のインフラ関連企業が賃貸事業を強める傾向にある。北海道ガスとNTTグループのエヌ・ティ・ティと氏開発は22年に札幌市内でそれぞれ1棟目となる賃貸マンションの供給を始めた。新規ユーザーの獲得を図るため住居に自社サービスを導入したり、新たな収入源を確保する狙いがある。


AB街区(完成イメージ)

JR北海道は、北海道JR都市開発ミサワホーム北海道の3社共同で、桑園地区(札幌市中央区北11、12条西18丁目)の社宅用跡地を南からA、B、Cの3街区に分けて順次開発する。


 A、B街区はミサワホーム北海道と共同で進める。A街区にはRC造、11建ての分譲マンションを2棟建設。2棟合わせて延べ9500㎡、100戸前後を見込む。

このほかB街区にはRC造、10回、延べ9900㎡で50戸前後の賃貸マンションを新築。低層階にはジェイ・アール生鮮市場の出店と駐車場設置を計画する。



C街区完成イメージ

 今秋に着工するC街区は、北海道ジェイ・アール都市開発と共同でRC造、11階建ての賃貸マンションを建設する。2棟合わせて延べ5800㎡、75戸前後の規模、23年度末の入居を予定する。現社宅は今春から取り壊す。


 同社が賃貸住宅事業に参入するのは、鉄道など関連事業の収益基盤の拡大につなげる狙いがある。これまで、社有地を使って分譲マンションの開発に参画してきたが、賃貸にも活路を見いだす。年間1棟以上を10年間で立てる計画で、社有地だけでなく将来は、用地取得による開発も視野に入れる。


 経営拡大に向けて事業領域の拡大に舵を切るインフラ関連企業はJR北海道だけではない。

 北海道ガスは、地下鉄東西線からバスセンター徒歩圏に賃貸マンション「EFUTE北3条」(札幌市中央区北3条東5丁目)を新築した。入居が始まった3月時点で満室となっている。

 住居には同社が提案するエコジョーズや、暖房運転を自動で省エネ制御できる「北ガススマートリモコン」などを各所に導入。断熱、遮音は分譲マンション並みの性能だ。

同社担当者は「賃貸事業の収益だけではなく、将来、賃貸から分譲マンションに移っても北ガスや提供するエネルギーサービスを選んでもらうきっかけになれば」と説明。すでに2棟目の準備を進めているようだ。


 エヌ・ティ・ティ都市開発は4月に、同社としては道内初の賃貸マンションを中央区北5条西15丁目で供給した。「ウエリスアーバン」のブランドで、NTT東日本が提供する光通信回線「フレッツ光」を全戸に設置した、。エントランスの自動ドアや非接触ボタンを採用していて、自室まで共用部分に触れることなく入室できるのが特徴だ。


分譲MS高騰で注目される高品質な賃貸住宅


 同社は札幌市内の社宅跡地の売却や有効活用を進めていて。賃貸事業もその一環。「新たな収入源になれば。年2棟の供給を目指したい」(同社担当者)と不動産投資に意欲的だ。さらにロードサイドの休遊地に関しては商用開発も視野に入れている。


 08年まで「エナコート」ブランドの賃貸マンションを4棟供給してきた北海道電力も、賃貸議場に前向きな姿勢をみせる。同社は21年10月、グループにおける不動産事業を北電興業に一元化する再編を実施。今後は、住宅を含め自社保有する資産を活用した不動産開発、運営事業に乗り出す考えだ。


 近年、ヒートポンプの技術が大きく向上しているとし「スマート電化を採用した不動産開発を通じて、積極的に省エネに取り組んでいく」(同社担当者)と説明。不動産投資を強めていく考えだ。


 そうした中で、都心部で高品質な賃貸住宅が注目されている。不動産関係者によると、高騰する分譲マンションを敬遠するファミリー層に需要がある。最近では、単身者向けの住居が多い中で、2LDKの戸数を増やしたり、賃貸では少ない3LDKといった広い間取りを導入するケースも出始めた。リモートワークができる環境を求めて、対応する新築物件に引っ越す割合も高くなっている。


(第1074号 2022年5月1・15日合併号 1面より)

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