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2021年道内・札幌新築着工を分析

持家は全都道府県で前年比プラスと好調

建売住宅、貸家も全国的に回復傾向に転化


 昨年の新設住宅着工戸数は、全国が14.3%、北海道が13.1 %、全道の約半数を占める札幌市が12.1%それぞれ前年を上回った。コロナ禍が続く情勢にあって、感染対策をとった新しい形のイベント実施・営業方法などが定着、度重なる外出自粛要請、テレワークの普及などが逆に住宅業界にとっては追い風となり、順調に着工戸数が回復した1年だった。


 ただし、ウッドショック、アイアンショック、半導体不足といった施工に関しての懸念材料は消えておらず、さらに今後は国が進めようとしているカーボンニュートラル実現に向けた省エネ基準の強化・義務化、ZEH推進に伴う住宅への太陽光発電設備導入の動きなどに注視していく必要がある。



北海道は増減率で全国29位の水準


 昨年の新設住宅着工戸数は全国合計で85万4926戸と前年比14.3%プラスと回復傾向が顕著になった。


 利用関係別の内訳は持家が28万5575戸(前年比19.9%増)、貸家が32万1376戸(同14.0%増)、建売住宅が14万1094戸(同17.9%増)、分譲マンションが10万1292戸(同0.3%減)、給与住宅が5589戸(同13.4%減)となっている。


 都道府県別でみると、総着工戸数で前年を上回ったのは島根、徳島、高知、大分、沖縄の5県を除く42都道府県。


 利用関係別で持家は全都道府県、貸家は36都道府県、建売住宅は40都道府県、分譲マンションは前年との比較可能な41都道府県中23都道府県、給与住宅は20道府県で、それぞれ前年比を上回った。


このうち、道内の総着工戸数3万2821戸(前年比13.1%増)は、前年と比べた増減率でみると47都道府県中29位の水準となっている。


 全道着工戸数の利用関係別の内訳は、持家が1万2008戸(前年比17.1%増)、貸家が1万4909戸(同5.6%増)、建売住宅が3091戸(同28.9%増)、分譲マンションが2243戸(同15.7%増)、給与住宅が570戸(同90.6%増)だった。



札幌市は分譲MSを除き前年比プラス



 道内着工戸数の約半数(49%)を占める札幌市の状況をみると、総着工戸数は上半期を前年比前年比15.5%増で折り返し、下半期は前年比6.2マイナスになったものの上半期の貯金が効いて年間では1万6071戸、前年比12.1%プラスだった。


 利用関係別では、持家が3743戸(前年比14.9%増)、貸家が8826戸(同12.7%増)、建売住宅が1572戸(同19.8%増)、給与住宅が19戸(同90.0%増)と、前年にわずかに届かなかった分譲マンション(1911戸・同1.0%減)を除き前年を上回っている。



 一昨年(2020年)は建売住宅を除き前年割れしていたが、新型コロナウイルスの流行終息の出口がなかなか見えないコロナ禍が続く情勢下、度重なる外出自粛要請、テレワークの普及など自宅で過ごす時間が多くなる状況で人々の関心やお金の使い道が住宅関係に向いて潜在的な住宅需要掘り起こしが行われ、営業活動面やイベント実施での新型コロナウイルス対策も定着した結果、着工戸数は総じて順調に回復した。


 昨年は春先から世界的に複雑な要素が絡まったウッドショック、アイアンショックに加え、新型コロナウイルス感染症流行の影響とみられる半導体不足による給湯器や温水洗浄便座といった住宅関連機材の納入遅れが発生したが、こうした懸念材料については今年も影響が続くと予想される。


 また、国のカーボンニュートラル実現に向けた施策が加速し、省エネ基準の強化・義務化やZEH推進に伴う住宅への太陽光発電設備導入の動きがどうなるかも注視していく必要がある。


第1070号 2022年3月1日発行より

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