豪雪での「雪庇」事故増加を防ぐには

㈱日浦

気流と太陽熱で雪庇を形成させにくくする 独特の構造『セッピカッター・ウイングⅡ』


断面。流線型のウイング部分は中空構造に。

今冬の大雪で問い合わせ増加 豪雪地帯でも効果実証済み


 二度の大雪に見舞われ除排雪が間に合わず公共交通機関の運休が相次いだ札幌市をはじめ道内各地で記録的な降雪・積雪があった今冬。建物の屋根・屋上からせり出すように雪の塊ができる雪庇の大きさも例年以上で、建築資材卸の㈱日浦(札幌市、日浦明典代表取締役社長)が取り扱う雪庇防止商品『セッピカッター・ウイングⅡ』に関する問い合わせが増えている。


 『セッピカッター・ウイングⅡ』は流線型の下向きウイング2枚をもつアルミ製のルーバー。㈲高橋アルミ工業(札幌市)が研究機関と検証・観察を重ね開発した。熱伝導率が高いアルミを黒色にすることで太陽光の熱を吸収しやすくし、さらにウイング部分を中空構造にすることで獲得した太陽熱がウイングの隅々まで行き渡って雪を溶かし落し雪庇ができにくくなる仕組みだ。熱の効果で雪を溶かすため、ウイング自体に雪が張り付いてしまい本来の機能を損ねることもない。


 また、気流が風上から効率よく通るようにウイング形状・設置角度を設計しているため、雪庇ができる前の柔らかい雪質の段階で雪を遠くまで吹き飛ばす機能も持ち合わせる。定価は1m当たり8万6000円(税別)。


 ルーバーの高さは2段30cmからと小さく、建物の外観を損なわないのも特徴だが、地域の降雪量に応じてウイングを3枚に増やした『ウイングⅢ』も用意されている。すでに豪雪地帯の岩見沢市の道営住宅、倶知安町の民間マンションなどで採用され、効果が実証されている。


人命にかかわる事象 事前に対策する責任も


左からⒶ「セッピカッター・ウイングⅡ施工部分」Ⓑ「セッピカッター施工部分」Ⓒ「無対策部分」(写真提供:㈱日浦)

 日浦では『セッピカッター・ウイングⅡ』に、同商品よりも安価な『セッピカッター』を組み合わせる提案も行っている。より効果が高い『ウイングⅡ』を人通りが多い建物の出入口付近の上部屋根部分に、そのほかの屋根部分には『セッピカッター』を設置することも可能だ。


 『セッピカッター』は降る雪を風の力を利用して飛ばすとともに、屋根からせり出す雪を太陽光の熱で溶かし柔らかいうちに切断して真下に落とす仕組み。定価は1m当たり『Tー18ウイング』(小)が3万8000円(税別)、『デルタウイング』(大)が5万4000円となっている。


 ビル・マンションや賃貸住宅など無落雪構造で面積の広い屋根になるほど巨大な雪庇が形成されやすい。建物の立地によっては敷地外の歩道にかぶさるほどの雪庇ができていたり、駐車場の車に当たる位置に雪庇ができるケースも見受けられる。落雪により第三者に被害を与え損害賠償請求された場合、施設賠償責任保険に加入をしていれば履行されるケースは多いが、時には人命にかかわることがある事象なだけに、冬の安心・安全な生活に向けて事前に対策を施しておく責任が求められる。


【商品に関する問い合わせ】㈱日浦(電話011ー864ー0177)



(第1072号 4月1日発行 2面より 紙面はこちら

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