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札幌市の2021年分譲マンション市場を振り返る

更新日:2022年2月15日

 

再開発などに伴う大型物件の供給が相次ぎ 新規供給戸数・成約件数ともに大幅に増加


 住宅流通研究所(札幌市)の調査によると、昨年の札幌市の新築分譲マンション市場は新規供給戸数が前年比36.8%(495戸)増の1840戸、成約総数は同64.9%(779件)増の1980件と大幅にプラスになった。


新規販売実施の20社中13社が前年比増の供給


 札幌市の分譲マンション市場は2014年の消費税引き上げ(5%→8%)時に前年の駆け込み需要の反動も加わり、新規供給戸数、成約件数ともに市場最低を記録。その後、徐々に回復してきていたが、新型コロナウイルス流行の影響で19年、20年の2年間は低迷した。


 昨年は新型コロナウイルス対策を行いながらの営業活動の確立、外出自粛や企業のテレワーク実施などによる住宅需要の高まり、再開発などに伴う大型物件販売開始という要件が重なり、新規供給戸数、成約件数ともに14年以降最多となった。


 札幌市内で分譲マンションの新規発売を行ったのは前年より3社少ない20社。このうち13社が前年を上回る戸数を販売している。


 20社中3桁の販売を行ったのは大和ハウス工業(前年比272戸増の521戸)、クリーンリバー(同172戸増の335戸)、東急不動産(同67戸増の114戸)の3社だった。


新築分譲MS成約増で中古成約との差縮まる


 一方、昨年新規発売分に2020年以前発売分の成約を含めた総成約件数では、大和ハウス工業の551件(前年比334件増)、クリーンリバーの328件(同165件増)、東急不動産の123件(同109件増)が3桁の成約数を記録している。成約があった21社のうち12社が前年の成約数を上回った。


 平均価格は昨年初めて4200万円を突破し、前年比9.1%、357万円高の4285万円で、13年前のリーマン・ショック時(2008年)との比較では約44.5%、1320万円高となっている。


 札幌市内の新築分譲マンションは立地や土地の値上がり、建築コストの高騰などの要因が相まって2014年以降値上がり傾向が顕著になり、16年に初めて4000万円を突破。それ以降は緩やかに値下がり傾向を示していたものの4000万円前後の高値で推移してきたが、昨年は再び前年比357万円高と大幅な上昇傾向に転じた。


 中古マンション(流通マンション)を含む市場でみると、中古マンションの需要も高く、それに伴い中古物件の成約平均価格は2010年以降上がり続けており、昨年はついに1900万円超の1970万円と2000万円の大台に迫る勢い。


 ただし、中古物件に限っていうと、価格上昇が成約のブレーキになっている側面もあり、19年を境に成約数の積み上げが鈍化している。

 

 昨年は新築物件の新規供給が大幅に増え、それに伴い成約件数も伸びたことで、2012年に中古マンションが新築分譲マンションを逆転して以降最大1258件の開きがあった成約件数差は509件まで縮まった(グラフ参照)


 





(第1069号 2022年2月1日 8面より抜粋)

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