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日銀が金融緩和策を修正 道内住宅業界 動揺広がる

 日本銀行が金融政策決定会合で金融緩和策の一部修正を決めたことで、道内住宅事業者に動揺が広がっている。建築コストの上昇で戸建て、分譲マンションともに販売価格が高騰する中、住宅ローン金利の負担が増えれば、購入意欲の低下に拍車が掛かる。賃貸住宅の投資についても、ローンで購入している投資家が多いため、供給減は避けられないとみる。



「前年と比べ成約が3割も落ちている。このタイミングで金利が上がると、ますます購入マインドが冷え込んでしまう」。札幌市内の大手ハウスメーカー担当者は、今回の金利見直しが営業販売に大きく影響すると漏らす。


 日銀は20日、長短金利操作を0%程度に誘導する長期金利の許容変動幅を、従来のプラスマイナス0・25%程度から同0・5%程度に見直すことを決めた。事実上の利上げとなる。


 ウッドショックや建築資材、土地価格の高騰で、住宅価格は年々、上昇する。最近では飛ぶように売れていた建売住宅が高額になってきたため、在庫を抱えるようになってきた。市内の工務店経営者は「土地と建物の総額が見合わないため、契約まで至らないケースが目立つ」と説明。特に建売が売れていないため、土地在庫は動かなく新たな用地を取得しにくい状況にあるという。


 投資が盛り上がる賃貸住宅が冷え込む恐れも出てきた。賃貸投資を担う事業者から「借入金と購入資金のバランスが取れなくなってくるので、購入ペースを落とさざるを得ないのではないか」と指摘する。一方、別の事業者はアパートローンには影響あると見るが、「事業者の直接契約であるプロパー融資は顧客によるので影響はない」と話す。

 道内のある金融機関は、低金利を味方にした取引が今後は冷え込むと予測した。別の銀行担当者は、金利の先高感を抱く住宅ローン利用者は10年超の固定金利を検討するのではとの見方を示した。


(第1087号 2023年1月1・16日合併号 第2部 7面より)

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