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想いを叶える親愛信託 27

第27回「収益不動産オーナーのための親愛信託」


親愛信託で不動産名義を後継者に変えるメリット


 収益不動産のオーナーの悩みはさまざまあると思います。

 「入居率を上げたい」「利回りを良くしたい」「売却したい物件がある」「条件の良い不動産を購入したい」「古くなったので建て替えたい」「相続税対策をしたい」「特定の人に不動産を遺したい」「不動産を遺したくない人がいる」「子供たちに管理を任せたい」「子供たちには管理を任せたくない」「継いでくれる人がいない」「遺留分対策が必要」-などです。

 親愛信託を活用しても相続税や所得税などの税金が直接減ることはありませんが、他の悩みは解決できますし、間接的に節税になる方法もあります。


 まず、「入居率をあげたい」という悩みには、オーナーである親世代の所有者が、子世代の後継者と親愛信託契約を結び、名義を後継者に変えて、これまでのマンネリ化した収益不動産に若者の感覚を取り入れることができます。今の時代は、情報収集はインターネットを使っていくらでもできますが、昔ながらのオーナーさんには難しいかもしれません。


 コロナ禍においてはいろいろな助成金や補助金がありますが、どのような給付金があるのかの情報収集も高齢者には難しく、申請も紙の書類での提出ではなく、メールで登録して、スマホやインターネットを使うことが大半を占めるようになってきました。

 このような手続きも不動産の名義人本人ということがほとんどです。名義を後継者に変えて、面倒な手続きなどをやってもらう事が親愛信託を使うと可能になります。


 「利回りを良くする」というのは直接的に親愛信託で叶えることは難しいかもしれませんが、後継者の新しい感覚により不動産のリフォームやサービス向上が実現することで家賃をあげることができたり、オプション契約を付けることによって間接的に利回りが良くなることはあります。セキュリティを重視するために賃貸物件の契約時に、盗聴器発見の業者にお願いして、安心して入居してもらうというようなサービスもあるようです。


不動産事業計画を立て信託のスキームを組む


 「売却したい」という悩みも親愛信託を使ったからといって売れなかった不動産が売れるようになるとはなりませんが、売却したいタイミングで「所有者であるオーナーが認知症になっていた」ということにならないように親愛信託を使い名義を後継者に変えておくことが大切だと思います。


 「売りたいけど売れない」ケースも、名義が変わると、これまでと売却先を探す方法が変わるからなのか、間接的な効果で売れるケースに何度も遭遇しました。

金銭がたくさんある場合はその金銭を信託財産として新しい物件を建てたり、既存の物件を建て替えたりする場合にも金銭を信託財産として、金銭の状態で後継者に名義を変えて最初から受託者名義で新しい物件を建設することもできますし、建て替える場合は金銭と既存の物件を信託財産として、受託者がその金銭を使って建て替えることもできます。


 今後その物件を引き継ぐ後継者が自分の思ったように建物を建てたり、建て直したりできるので、今後管理していく上での思い入れが単に引き継いだものとは全く違ってきます。


 この時に注意しないといけないのは、信託財産にすると不動産所得において、「損益通算できなくなる」「赤字の繰り越しができなくなる」ということです。将来の収益や経費などの計画をしっかり立てて、税理士さんと相談して信託のスキームを組むことをお勧めします。

 「相続税対策」としては、受益権を後継者に少しずつ贈与したり、譲渡することで、不動産そのものに対する相続税対策にもなりますし、その後の家賃も後継者に渡した受益権の部分は後継者に入るので、オーナーさんの相続税の対象になる金銭の増加を減らすことができます。思った通りに後継者に渡す方法についてはまたどこかのタイミングでご紹介したいと思います。


監修:特定行政書士 松尾陽子(まつお ようこ)

よ・つ・ばグループ協同組合 親愛トラスト代表


略歴


2015年行政書士まつおよう子法律事務所開業。

16年1月ソレイユ九州発足、同年8月法人化し(一社)よ・つ・ば親愛信託普及連合に名称変更。17年9月協同組合親愛トラスト設立。現在は専門家向けの連続講座やZoomセミナーなどを通じて親愛信託の普及活動に励む。

著書に『理想・希望通りの財産管理を実現する!カップルのための「親愛信託」』(日本法令)、『ここまで使える!自己信託&一般社団法人を活用した資産承継・事業承継(河合保弘氏との共著)』(日本法令)などがある。


(第1056号 2021年6月16日発行 より 引用)


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