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動き出した「北海道REIT」2

道内企業20社が共同出資する 北海道リート創設への道のり




 北海道リート創設については、20年近く前から構想があった。福岡リート投資法人の設立をきっかけに、三菱UFJ銀行関係者らが、道内企業を集めた勉強会を開くなどして理解を求めたが、収益面の懸念から停滞する時期が続いた。


 そうした中、道内で再開発が相次ぐなど不動産投資が盛り上がりをみせたことで機運が高まり、21年10月に北海道リート設立協議会が立ち上がった。ことし4月27日に開催した全体会で、20社が共同出資に賛同。リート投資法人の運営を担う資産運用会社の設立を決議し、同日、北海道リート設立準備室を置く流れとなった。


 地域特化型リートをうたうのは、地元の財産を守るという思いが込められている。札幌や地方都市では老朽化ビルの再開発が進むが、事業者は道外の大手企業ばかり。施設更新や耐震化には多額の費用負担がのしかかる。自前で借り入れして設備投資に踏み切れない地元ビルオーナーが、資金が潤沢な企業に売却する例は多い。


 リート設立への出資を決めた企業担当者は「このままでは、歴史的に名があるビルが道外企業に買われていく。ただ、道内の不動産業者が太刀打ちできるわけでもない」と実情を吐露。それだけに、道内有力企業で結集した北海道リートが入れば、資金調達や、事業パートナーの選出などサポート面で参入の余地が出てくるとみる。


 最近では、バランスシートの資産を圧縮して、財務負担を軽減するアセットライトが広まりをみせる。西武ホールディングスは、コロナ禍による業績不振を理由に、保有するホテル、レジャー事業の一部資産を売却して経営の効率化を図ったことで話題となった。ここでも、北海道リートが役割を果たす契機にもなる。道内企業が保有する既存物件を流動化することで資金を確保し、身軽になった状態で新規事業に望むことができる。




(第1076号 2022年6月16日発行 3面より) 

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