東京都は一定規模の住宅事業者を対象として、新築物件に太陽光発電の設置を義務化する制度を新設する。住宅分野の脱炭素化が目的で、2022年内の条例改正を目指して検討会を設置した。
対象になるのは年間で総延床面積2万㎡以上(戸建200棟程度)を供給する事業者で、建築棟数に応じた目標値を設定する。また日照条件などを考慮した区域ごとの設置可能率を算出し、各地域の合計値を達成目標とすることで実現可能な数値を提示する。このほか、電気自動車や災害時に対応する充電設備の設置を促す仕組みなどもつくるとしている。
この分野で最先端を走るのは米カリフォルニア州で、20年に新築住宅の太陽光発電設置義務化を開始した。背景には、06年からスタートした消費者・事業者両方への補助金・税優遇による市場規模の拡大と、それに伴うコストダウンの実現がある。
北海道でも太陽光パネルを設置した住宅は年々増えているが、「北海道ではパネルの向きや屋根形状、融雪システムにも工夫が必要なため、(本州に比べて)業者の技術的な負担が大きい」(株式会社シェアリングエネルギー・上村一行代表取締役)。カーボンゼロに向け、国は太陽光を中心とした施策を進めているが、積雪寒冷地の北海道でも無理なく取り組める制度や仕組みづくりを求めたい。 (第1074号 2022年5月1・15日合併号 3面より)
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