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【新社長に聞く】常口アトム 清河智英 社長

更新日:2022年1月11日


  • 創業30周年を迎え総合不動産業としてバランスの取れた経営を


 12月17日の株主総会及び取締役会で、三戸篤人氏に替わって㈱常口アトム代表取締役社長に就任した清河智英氏。北海道内の賃貸不動産業でナンバーワンの実績を誇る同社の清河新社長に社長就任の抱負と同社の現状と今後について話を聞いた。


自社物件を大規模リノベ中


――社長ご就任おめでとうございます。率直なご感想は。



清河 6月に北海道銀行の本店長から常口アトムにまいりました。執行役員副社長を務めさせていただき、この間、コロナ禍で中断もありましたが、当社の道内外の全支店・センター・FC店舗を回らせていただきました。40年弱の銀行員としてのキャリアで賃貸不動産業の経験が薄かったせいもあるのでしょうが、本店長時代は、基本的に常口アトムは無借金会社で、資金繰りに苦労していない会社という認識でした。ところが、実際中に入ってみると、コロナ禍による環境の変化や事業形態による苦労の度合いや経営課題が銀行サイドから見るのと、内側からでは違うということを改めて感じました。


――今年は創業30周年を迎えますね。


清河 常口アトムとしてリスタートして4月1日で30年になります。30周年プロジェクトとしてオーナー様や賃貸のお客様向けに細かな企画は行っていますが、ちょうど繁忙期にも当たるので、現在のお客様向けのキャンペーン以外、社内的には大きなイベントなどを行う予定はありません。


――御社は賃貸仲介と管理というイメージが強いですが。


清河 同業者の中でも自社物件としてアパート・マンションや商業ビルを所有されているところもありますが、当社は北広島市大曲に賃貸マンションが1棟あるくらいで、ほとんど自社物件は所有していません。


――その物件「ジョグリスタ北広島」は現在大規模改修をされていますね。


清河 もうじき完成する予定ですが、たまたま北広島市の注目度が上がっているところなので期待しています。ただ、今後こうした物件を増やしていくべきなのかどうかは考慮中です。


高級賃貸の需要増に期待


――北ガス・道銀との提携による「エフュート北3条」も完成が近いですが、常口アトムにとって今後のビジネスとしての可能性は。



清河 もちろんあります。当社は自社物件が少ないことから、築浅物件や新築物件の管理が弱い傾向にあります。その意味では新築から関われるのでありがたく、一つのビジネスモデルと言えます。分業ということであれば、当社としてもメリットがあります。1月末の完成予定で順調に工事は進んでいるようです。募集は既に12月からかけていて、すでに7戸(12月8日現在)決まっており、家賃設定は高めですが、順調に決まるのではとの報告を受けています。実際、戸建住宅や分譲マンションの新築価格が高騰していて、一般的なサラリーマンでは手が届かない市場になってしまっていることを考えると、同物件のようなハイスペックな賃貸住宅の需要は、物件内容と立地次第とは思いますが、今後上向いてくるだろうと見ています。


――今後は高級賃貸需要が伸びていくと。


清河 少子化の中で生活環境も変わり、状況に応じて賃貸住宅で生活するということは十分考えられることです。私も実際に賃貸に住まいを替えました。数年後は札幌といえども人口は減っていくでしょうし、空き家問題が顕在化してきます。現在のような中古住宅のマーケットのバランスを維持しているかというと、まったく違う世界になっていると思います。そう考えると「持つか、持たざるか」というのは微妙な選択になるだろうと思います。


――最後に抱負を。


清河 中期経営計画の中で、具体的な方向性を明示したり数字を置いたりしていますが、当社の柱は賃貸管理と賃貸仲介です。これに売買など他の部門を含めて総合不動産業としてバランスが取れた経営をしていくべきだと考えています。特に売買がオーナーの信頼を得ることで強化されてくれば、古くなった物件の売買や新築時の仲介もプラスに転じるなど、一連の流れで巡回されていくものなので、そのバランスを取るということなのだと思います。


――ありがとうございました。


(第1067号 2022年1月1日 第2部9面より抜粋)



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