「Z世代」をつかむ賃貸を/アサヒ住宅 三浦恵美子新専務

更新日:7月6日

 札幌を中心に賃貸物件の建築から仲介・管理までを手掛けるアサヒ住宅(本社・札幌)は、創業時からの地域に密着した経営を守る一方で、ニーズの掘り起こしやDXにも積極的に取り組んでいる。5月24日の取締役会で専務取締役に昇任し、3代目として承継を控える三浦恵美子氏に話を聞いた。


Z世代のカギは「生活を楽しむ」


―賃貸市況の現状をどう見えていますか。


 人口・世帯数減の未来を考えると、将来的に賃貸戸数は減り、競争も激しくなると予想しています。あえて賃貸を選ぶ人たちに対して、いかに訴求力のある物件を提供できるかがカギになるでしょう。


 特に注目しているのは1990年代半ば以降に生まれたZ世代です。自分のこだわりや趣味、あるいは部屋を決めるまでの経緯など、生活を大切にする世代と聞いています。その需要は逃したくない。彼らの心を確実につかむ物件を提案することが、これから会社を担う世代の課題だと考えています。



―提供物件へのこだわりはありますか。


 オーナー様と入居者様の双方を満足させるのは大変に難しいです。ただ、高品質の物件なら入居付けもスムーズにでき、結果的にはオーナー様にもメリットがあります。

 RC造で宅配ボックス設置など付加価値の高い「グランメール」を筆頭に、安心安全で本物と胸を張れる物件づくりに力を注いでいきます。


―事業拡大は考えていますか。


 他地域からの誘いもありますが、企画提案・建築から仲介、管理までのワンストップサービスは目の行き届く範囲だからこそできることです。拡大よりは各事業の質を高めることに注力し、これまでどおり地域に根差した経営を貫いていきたいと思います。


DX促進で働きやすい職場に


―社内環境の向上に取り組んでいると伺いました。


 入社後、ノー残業デーの設定や休暇取得の推進など、働きやすい環境作りに心を砕いてきました。


 ただ、休みが取りやすくても業務量が変わらなければ、どこかにひずみやしわ寄せが出るだけです。社内を見ると、紙の多さが作業を増やす要因になっている事が分かりました。そこで各セクションの作業を整理して言語化し、無駄をカット。残すべきものは電子化してDXを促しています。トップダウンではなく、各担当者と密に連携を取りつつ進めています。

 今はクラウドシステムの導入に向けて準備を始めたころです。


―5月から不動産取引の完全電子化も始まりました。


 DXの一環として、賃貸仲介のオンライン化を進めているところです。現在は電子申込のシステムを構築中で、その他の部門も順次対応を予定しています。


―事業承継を控えた就任となりました。

 

 自分の力を弊社の発展に生かせたらという思いで入社しましたが、元々公務員だったため、全く違う業界に初めは戸惑いがありました。でも今は「どうしたら喜んでもらえるか」「どんな家が良い暮らしにつながるのか」と、目の前のお客様の幸せに100%集中できることが楽しく、性に合っていると感じています。


 また、幼い頃から父の会社としてずっと見てきましたが、共に仕事を始めてから、改めて社員がどれだけ頑張って事業を支えてきたのかを知り、感動を覚えました。私の使命は社員を守って、皆の誇りとなる会社にすることです。


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みうら・えみこ 札幌生まれ。北海道大学法学部卒業後、裁判所に就職。2019年にアサヒ住宅株式会社に入社、22年同社専務に就任。


(第1077号 2022年7月1日発行 1面より)

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